この記事の要点

v2rayN 7.xを初めて使うWindows・macOSユーザー向けです。動作環境、コア、サブスクリプション、システムプロキシ、ルーティング、自動更新、接続確認の順にチェックすることで、「ノードを選んでもブラウザに接続できない」「読み込み後に一覧が空になる」「再起動するとプロキシが無効になる」といった問題を減らせます。

インストール前にシステム・アーキテクチャ・実行環境を確認

初回設定はサブスクリプションの貼り付けから始めないでください。まずダウンロードしたパッケージと端末のアーキテクチャが一致しているか、自包含パッケージかランタイム依存パッケージかを確認します。アーキテクチャを間違えると起動できず、ランタイムが不足している場合はノード設定ではなく、必要な .NET コンポーネントがないという警告が表示されます。

v2rayN 7.xのデスクトップ版はWindows、macOS、Linuxに対応しています。一般的なWindows端末ではx64版を使い、ARMプロセッサ搭載端末ではarm64版を選びます。macOSもarm64とx64を区別してください。ファイル名の「デスクトップ版」だけで判断せず、ダウンロード前にシステム情報でプロセッサのアーキテクチャを確認しましょう。

Windowsの初期条件

一般的なアーキテクチャ
x64
実行ディレクトリ
ユーザーが書き込めるディレクトリ
ランタイム
.NET 8 デスクトップランタイムまたは自包含パッケージ
ローカルプロキシアドレス
127.0.0.1

圧縮ファイルのプレビュー画面や、管理者権限がないと書き込めないシステムフォルダーに長期間置かないでください。

macOSの初期条件

一般的なアーキテクチャ
arm64またはx64
アプリの場所
固定したアプリディレクトリ
ランタイム
.NET 8 ランタイムまたは自包含パッケージ
メニューの場所
画面上部のメニューバー

初回起動後はアプリの場所を固定し、ログイン時の起動項目が移動前の古い場所を参照し続けないようにします。

初回起動後は決められた順番で基本設定を完了する

正しい順番は、まずコアを確認し、次にサブスクリプションを追加、その後サーバーを選び、最後にシステムプロキシを有効にすることです。最初からシステムプロキシを何度も切り替えると、コアが起動していない、サブスクリプションが更新されていない、ブラウザが新しいプロキシ設定を読み込んでいない、といった問題が混在します。

  1. コアを確認

    「設定」→「パラメーター設定」→「Core タイプ」を開き、通常のVLESS・VMessノードではまずXrayを選択します。保存してメイン画面に戻り、下部のログにコアの起動成功メッセージが表示されているか確認します。

  2. グループを追加

    「サブスクリプショングループ」→「サブスクリプショングループ設定」→「追加」を開き、識別しやすい名前を入力して完全なサブスクリプションURLを貼り付けます。URLの前後に空白や改行を残さないでください。

  3. サブスクリプションを更新

    グループを保存したら「サブスクリプショングループ」→「すべてのサブスクリプションを更新」を実行します。ノード一覧が更新され、結果がタイムアウト、空の内容、形式の解析失敗になっていないことを確認します。

  4. ノードを選択

    サーバー一覧からノードを1つ選び、アクティブサーバーに設定します。選択行は現在の接続先を示すだけなので、コアが動作していることも確認してください。

  5. ルーティングを設定

    初回の確認では、ルールが明確な基本ルーティングモードを選びます。接続が正常だと確認できたら、LAN、日本国内の直結サイト、プロキシ経由サイトの要件に合わせてカスタムルールを調整します。

  6. プロキシを有効化

    トレイまたはメニューバーから「システムプロキシ」を開き、自動構成を選択します。テスト終了時やプログラムを終了する前に「システムプロキシをクリア」に切り替え、無効なポートがシステムに残らないようにします。

各手順を終えるたびに、メイン画面の状態とログを確認すると、原因を直接切り分けられます。サブスクリプションの更新でエラーが出ているならルーティングを変更する必要はなく、コアのポートが待ち受けていないならブラウザのキャッシュを先に疑う必要もありません。

システムプロキシ・コアのポート・ルーティングモードを分けて理解する

「ノードが接続済み」でも、「すべてのアプリがプロキシを経由している」とは限りません。コアはローカルポートを待ち受けてリモートと通信し、システムプロキシはOSのプロキシ設定に従うアプリをローカルポートへ導き、ルーティングルールが各リクエストをプロキシ経由または直接接続のどちらで送るかを決めます。3つの層のどれか1つが欠けるだけでも、一部のプログラムだけ使える状態になることがあります。

初回利用で使える2つのプロキシ方式

普段使いのルールモード
  • システムプロキシを自動構成にする
  • よく使うローカルサイトはルールに従って直接接続
  • その他の一致するリクエストはプロキシ経由で送信
  • 基本確認が完了した後の常用に適しています
一時的なグローバル確認
  • 短時間だけ対象トラフィックをすべてプロキシに送る
  • 問題が分流ルールに起因するかを判断するために使う
  • 確認後は普段のルーティングに戻す
  • テスト状態を常用設定にしない

グローバルモードは障害範囲の絞り込みに使えます。ノードとコアが正常だと確認したら、ルールモードに戻し、ルーティングの一致条件を1つずつ確認します。

確認項目 よくある値 確認方法
待ち受けアドレス 127.0.0.1 端末上のプログラムだけが接続する場合はループバックアドレスを使い、リモートサーバーのアドレスを誤って入力しないようにします。
SOCKSポート 10808 パラメーター設定とコアのログで実際のポートを確認し、アプリに手動設定する場合は同じ値にします。
HTTPポート 10809 バージョンや設定によっては独立したHTTPポートを使います。画面表示とログにある待ち受け結果を基準にしてください。
ポートの競合 起動時にaddress in useと表示される 古いプロセスを終了するか、10808から10818へ変更するなど、空いているローカルポートに変更します。

ポート番号を機械的にそのまま使わないでください。10808と10809は初期値としてよく使われますが、ユーザーによる変更、旧バージョンからの移行、ほかのローカルサービスによって変わることがあります。最も確実なのは、「設定」→「パラメーター設定」のローカル待ち受け設定と、コア起動ログに実際に表示される待ち受けアドレスです。

サブスクリプション読み込み後にプロトコル項目と更新結果を確認

サブスクリプションは単なるノード名の一覧ではありません。各レコードにはサーバーアドレス、ポート、ユーザー識別子、トランスポート方式、TLSパラメーター、パス、Server Name、Realityの公開鍵やフィンガープリントなども含まれます。v2rayNは更新後にこれらをローカル設定へ変換するため、重要な項目が1つでも欠けるとハンドシェイクに失敗することがあります。

VMessとVLESSでは、サーバーアドレスだけを比較しないでください。同じアドレスでも、異なるポート、トランスポート、セキュリティ層を利用できます。ノードを手動編集する際は、別のプロトコルの項目を混在させないように注意します。

VLESS + Reality

プロトコル
VLESS
トランスポート
TCP
Flow
xtls-rprx-vision
フィンガープリント
chrome
必須項目
公開鍵とServer Name

通常はサブスクリプションから自動入力されます。手動で変更する前に、サブスクリプションの元のパラメーターと項目ごとに照合してください。

VMess + WS + TLS

プロトコル
VMess
トランスポート
WebSocket
パス
サブスクリプションで指定
暗号化
auto
必須項目
HostとServer Name

パスにスラッシュが付いているか、Hostが正しいかによってWebSocketのハンドシェイクは変わります。ノード名から推測しないでください。

自動起動・サブスクリプション更新・設定保存を行う

基本接続を確認してから自動化設定を有効にします。そうすれば、システムへのログイン直後に未検証の設定が読み込まれるのを防げます。WindowsとmacOSではログイン時の起動方法が異なりますが、確認の考え方は同じです。アプリの場所が固定され、ログイン項目が存在し、起動後にコアとローカル待ち受けポートが正常に動作している必要があります。

  1. 自動起動を有効にする:「設定」→「パラメーター設定」でログイン時の自動起動オプションを探します。Windowsではシステムのスタートアップアプリ一覧も確認し、macOSではログイン項目が現在のアプリの場所を参照しているかも確認します。
  2. アプリの場所を固定する:ログイン時の起動を有効にした後は、アプリのディレクトリを不用意に移動しないでください。すでに移動した場合は、古いログイン項目を削除してから新しい場所で再度有効にします。
  3. 更新間隔を設定する:サブスクリプショングループの設定で、実際の用途に合った自動更新間隔を入力します。個人用端末ならまず1440分、つまり1日1回から始めれば十分で、数分おきにリクエストを繰り返す必要はありません。
  4. 起動ログを残す:システムを再起動した後、まずコアが自動起動したか確認し、次にサブスクリプションの更新が成功したかを確認します。自動起動の成功と自動更新の成功は別の結果です。
  5. 終了時の動作を確認する:メインウィンドウを閉じても、トレイやメニューバーに最小化されるだけの場合があります。プロキシを完全に停止するには、プログラムのメニューから終了し、システムプロキシが解除されたことを確認します。
項目 推奨初期値 再確認するタイミング
サブスクリプションの自動更新 1440分 ノードが長期間変わらない、または更新が連続して失敗したとき
ログイン時の自動起動 基本接続の確認後に有効化 アプリのディレクトリを移動した後、またはメジャーバージョンを更新した後
システムプロキシの状態 システムプロキシを自動構成 異常終了やシステム再起動のたびに
設定のバックアップ 重要な変更を行う前に1回 カスタムルーティング、グループ、ポートを変更する前

自動更新は頻繁なほどよいとは限りません。間隔が短すぎるとエラーログが急速に増え、ネットワークが復旧した直後にリクエストを繰り返すこともあります。端末が常時オンラインでないなら、通常は1日1回で十分です。すぐに変更を取得したい場合は、「すべてのサブスクリプションを更新」を手動で実行するほうが明確です。

再現可能なテストで設定の有効性を確認する

初回接続では、サーバー一覧の色や遅延値だけを見ないでください。少なくとも、コアの起動、ローカルポートの待ち受け、システムプロキシの有効化、対象ページへのアクセス、ノード切り替え後の再テストまで確認します。一度に変更する項目を1つに絞ることで、結果がノード、ルーティング、ローカル設定のどれに起因するか判断できます。

テスト手順 記録例 結果の見方
コアの起動 127.0.0.1:10808が待ち受け中 ローカルSOCKS入口は利用できますが、リモート側のハンドシェイク成功までは証明できません。
実接続の遅延 186 ms 例の値にはプロキシプロトコルのハンドシェイクが含まれ、単純なネットワーク探査より実際の接続に近い結果です。
2番目のノードで再テスト 241 ms 同じ端末、同じルーティングモードで比較することで、差がノード側に集中しているか判断できます。
システムプロキシを無効化 対象リクエストが直接接続に戻る ブラウザがシステムプロキシを実際に読み込み、独自のプロキシ設定を使い続けていないことを確認します。
プログラムを再起動 アクティブノードとグループが残っている 設定が安定したディレクトリに保存され、一時的な解凍場所に置かれていないことを示します。

表の186 msと241 msは、あるトラブル対応記録の例であり、速度の基準ではありません。遅延はノードの場所、回線、時間帯、ハンドシェイク方式に左右されます。ここで記録すべきなのは、同じネットワーク、同じ対象、同じルーティングモード、そして切り替え前後で唯一変えたノードというテスト条件です。

初回利用でよくある問題と対処の順番

トラブル対応の基本は、端末からリモート側へ段階的に確認することです。まずプログラムとコア、次にポートとシステムプロキシ、その後にサブスクリプションとノード、最後にルーティングとトランスポートのパラメーターを確認します。前段の基本層を飛ばすと、ポート競合をノード障害と誤認しがちです。

サブスクリプションの更新がずっとタイムアウトになる?

まずサブスクリプションURLが完全か確認し、サブスクリプショングループの設定で更新方式を調べます。現在のネットワークからサブスクリプションへアクセスするのに既存のプロキシが必要なら、まず利用可能なノードに接続し、「プロキシ経由でサブスクリプションを更新」を有効にして再試行します。それでも失敗する場合は、ログにある名前解決、接続拒否、タイムアウトの情報を確認します。

ノードを選択したのにWebページが開かない?

まずコアのログに127.0.0.1:10808などのローカルポートが待ち受け中と表示されているか確認し、「システムプロキシ」が自動構成になっていることを確認します。ポートが競合している場合は古いプロセスを終了するか、「設定」→「パラメーター設定」でポートを変更し、コアを再起動します。

ルールモードは失敗するが、グローバル確認は正常?

通常はルーティングの一致に問題があります。ルーティング設定を開き、対象ドメインやIPが先にdirectアウトバウンドへ一致していないか、ルールの順序を確認します。変更後は古い接続を切断し、同じノードで対象アドレスを再テストします。

システムを再起動したらプロキシが完全に使えない?

v2rayNがシステムのログイン時起動項目に登録されているか、また自動起動を有効にしたときのディレクトリにアプリが残っているか確認します。起動後はコアも起動し、アクティブサーバーが存在し、システムプロキシが再設定されていることまで確認してください。メインウィンドウが開いたかだけでは不十分です。

プログラム終了後にブラウザがかえってネットワークに接続できない?

コアは停止したのに、システムにローカルポートを指すプロキシ設定が残っている可能性があります。v2rayNを再度開き、「システムプロキシ」で「システムプロキシをクリア」を実行してから通常どおり終了します。その後、OSのネットワーク設定に127.0.0.1と古いポートが残っていないか確認します。

これらの確認を終えれば、5つの質問に明確に答えられるはずです。プログラムは安定したディレクトリから動作しているか、コアは正常に起動したか、サブスクリプションは更新できたか、システムプロキシは正しいポートを指しているか、ルーティングは想定どおりアウトバウンドを選んでいるか。今後接続状況が変わっても、同じ順番で素早く原因を特定できます。